モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

事前宣言書(リビング・ウイル)の外国の例

 http://www.osoushiki-plaza.com/institut/dw/199709.htmlの真ん中より少し下のところ。

・・・次にあげるものはイギリスの「自然死センター」が作成しているものである。・・・この「事前宣言書」を作成した患者は、医者にその書類のコピーを提出し自分の立場を明らかにする。また「事前宣言書」をする人は、何年かに一度は更新することが勧められる。


◇リビングウイル(英国の自然死センターの脚色)

 家族と医者とすべての治療関係者へ。
 この宣言書は、私が健全な精神状態にあるとき、注意深く考えて作成したものである。私はいかなる病気にかかっても、その治療法と、その経過についての詳しい説明を望む。私に以下の状況が生じた場合、それを指示する

(1)私は下に示す病気で苦しみ
(2)医療方法を決める場に臨めず
(3)2人の医者が、私の病気が回復できず、ひどい苦痛や正常な知力が維持出来ないと判断された場合


◇そうした状況になった時の指示

(1)単に生命の延長と維持のための、医療行為をしてほしくない。
(2)嘆かわしい徴候(栄養不足が原因であっても)になったら、その処置によって死期を早めることになっても、適切な鎮痛療法や他の治療によって痛みをコントロールする。
(3)(水分以外は)無理に食事をとらせない。
(4)出来れば、最後の日を自宅で過ごす。

 私は、上の指示に従ってされること、することしないことに同意し、それによって生じる従事者の民事責任を問わない。
 私の死期が近づいたら、(適切な痛みの制御を考慮し)状況が許す限り、意識が保たれることを希望する。医師は、この指示書に配慮されるようお願いする。
 私はいつでもこの指示書を無効にする権利を保留している。しかし私が無効にしない間は、指示が継続しているものと解釈されたい。
(以下略)

 太字強調はモジモジによる。ここを読むと、ここでのリビングウィルは日本におけるそれと比較して取り消し(=書き換え)が容易なものであり、事前指示書vs.リビングウィルという軸においては、事前指示書の方に近い。日本尊厳死協会におけるリビングウィルは「この書面に署名・押印し、それを登録・保管」するもので、これに従った処置を取ることは法的責任を免れる(というより、そのためにやっている)。つまり、書き換えはできない。↑に引用したものと較べると、雰囲気が随分違う。
 この次に引用されている「自然死の指示」では、書き換え可能性はよく分からない。ただ、葬式のやり方とか、死ぬ気マンマンな感じは否めない。死の寸前の「本人意思」のあり方をつめて考えるのは、海外でも少数派ってことかな?