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暴動の火の手おさまらず@フランス

パリ郊外で若者が暴動 失業や警察に不満@asahi.com
移民が多いパリ郊外のセーヌサンドニ県などで、1日深夜から2日未明にかけて若者が暴れ、60台以上の車が燃やされる騒ぎとなった。失業や貧困とともに日頃の警察活動への不満が背景にあり、サルコジ内相への風当たりも強まっている。

暴動のきっかけは10月27日、同県クリシーで警察に追われていると思い込んだアフリカ系少年3人が変電所に逃げ込み、2人が感電死した事件だ。以来、現地では警察と若者集団の衝突が続き、31日から1日にかけても約70台の車が放火された。

クリシーでの暴動を受け、サルコジ内相は2少年の遺族との面会を試みたが拒まれた。このためドビルパン首相が1日夜に遺族を首相府に招き、内相が同席する形となった。首相は「2人が感電死した状況をすべて明らかにする」と約束、警察と住民の対話を深めるよう内相に指示した。

サルコジ氏は大都市周辺の暴力を追放する「郊外の大掃除」に意欲的。今回の暴動でもテレビに緊急出演し、警察活動を擁護した。「街のゴロツキは容赦しない。これまで以上の決意で取り締まる」とも語り、遺族の感情を逆なでした。

暴動の主体は、移民子弟の若者たちだということだ。テレビの短いコメントで、現地の青年が「捕まった子のほとんどは学校に行ってない。中学も、高校も」と語っていた。教育も受けられず、就職でも差別され、未来を見いだせない。

移民受け入れにおいて、移民コミュニティを重視するイギリス型とフランス社会への同化を進めるフランス型、などという分類があるようだが、そんな瑣末な違いなどより大事なことは、どちらの社会においても移民を安価な労働力としか見ておらず、格下としての差別意識がぬぐえていないのだろう、という点だ。サルコジの「クズ」発言にもそうした差別意識がにじみ出ている。それを反映してか、彼らは「永遠に安価な労働力であれ」と言わんばかりの放置政策で、移民子弟に対する教育などの政府サービスは常に後回しにされているのだそうな。


この移民子弟の若者たちというのは「フランス社会に育ち、フランス以外の空間に育ったことがない」という意味で、生粋のフランス育ちでもある。そもそも移民であることが差別の正当化理由になどなりはしないのだが、それにしたって、そこに生まれ育った二世以降の者たちには、ますますわけがわからないだろう。言うまでもなく、この日本社会にも根深い在日韓国・朝鮮人差別がある。そのことも忘れてはいけない。