今こそ「国益」を守れ
イラクから自衛隊が、ひいては米軍が撤退したらどうなるのか?巷には「テロリストの目的は占領軍をイラクから追い出すことが目的なのだから、占領軍がいなくなれば鎮静化する」という意見もある。しかし、事はそこまで楽観はできない。
アメリカは確かにイラクを占領しているが、イラクだけを占領しているわけではない。アフガニスタンも実質的に占領下においているも同然だ。現地政府を懐柔し、現地の人々の犠牲の上に利益をあげるためにアメリカ企業が進出している地域はたくさんある。そして、何より、パレスチナの占領地がある。仮にイラクから占領軍がすべて姿を消したら、テロリストはイラクを拠点と化し(「破綻国家」という奴)、アメリカが問題を引き起こしている世界各地へ攻撃を展開するだろう。だから、アメリカはどんなに多大な犠牲を払ってでもイラクに駐留し続ける。
見ていると、アメリカという国は実に愚かだと思う。賢いつもりで、うまく立ち回って他人を踏みつけにしながら上前をキッチリはねているつもりで、こうしてとんでもない負債を抱え込んでいる。アメリカの選択肢は、世界中の不正から手を引くのか、さもなければ、世界中に軍隊を送り込んで終わりのない戦いを戦うしかない。
しかし、最も愚かなのは、我々のこの国だ。↑の話はすべて*1アメリカの都合だ。アメリカの都合に合わせて自衛隊を出し、人々の顰蹙を買い、テロリストの標的とされて国民を危険に晒す。一体何のために?普段「国益、国益」とうるさい奴らは、どうして今こそ「国益を守れ、自衛隊を撤退させよ」と声を大にして叫ばないのだろう?*2我々はせいぜい、イラクでアメリカ軍の、アメリカ人の盾として利用されているに過ぎないのに。私たちが狙われている間、(その間だけでも)安穏としていられるために、そのためだけに私たちは巻き込まれているのだというのに。
しかし、世界中がアメリカを見放せば、長期的にはアメリカはこの戦争を戦い抜くことはできないのは明らかだ。なぜなら、キリがないからだ。そして、いずれ方針を変えるしかない。世界中の不正から手を引く方向へ踏み出すしかない。これは、世界最大のテロ国家がテロから手を引くことを意味する。テロ問題の最終的な解決はその先にしかないだろう。そして、そうであるならば、平和を目指して我々の国が取るべき選択は、mまず、この戦争から手を引くことである。