モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

アリとキリギリス

 日本の高度成長期は、成功した時代として捉えられることが多いように思う。しかし、高度成長期には、成長によって分配問題が表面化しなかったと言い、成熟期以降は、利害対立が先鋭化するため分配問題に手がつけられないと言う。そうであるならば、いったいいつ、分配問題について対処するのか。──こんな風にまとめると、何かがおかしいと誰でも気づくと思う。それで調べていると、北欧をはじめとしてきちんと制度移行がうまくいった国は、成長期に余裕をもって議論を重ね、成熟期に備えた制度をコツコツ作っていっている。うまくいっていなくても、誰かが、少なくとも社会を動かすに足る十分な数の人々が自発的に関わり、問題に対処しようと努力を重ねる。その結果が、現在、だ。


 まるでアリとキリギリスである。もちろん、この文脈においては、日本こそがキリギリスである。