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村上春樹、エルサレム賞受賞おめでとう!!!

イスラエル最高の文学賞エルサレム賞の09年受賞者に作家の村上春樹さんが決まった。受賞選定委員長が編集長を務めるイスラエルの有力紙ハアレツは21日付で、受賞理由について「日本文化と現代西欧文化とのユニークなつながりを描くなど、西側で最も人気がある日本人作家。読むのはやさしいが、理解するのはむずかしい」と伝えた。
http://www.asahi.com/culture/update/0124/TKY200901240160.html

 他にも、「村上春樹 エルサレム賞」で検索すると、いろいろ出てきますね。*1


 ところで、あれこれ検索してると、エルサレム賞については、かつてこんなことがあったそうです。

5月11日の南ドイツ新聞によると、ニューヨークの作家で、人権擁護活動でも有名なスーザン・ソンダクがこのほど、イスラエルのイエルサレムで開催されていた国際書籍市のおりに、「2001年イエルサレム賞」を受賞した。
……(中略)……
しかしソンタグがこの授賞式に出席するか、あるいはそもそもこの賞を受け取るかどうかは、最後の瞬間までは明らかではなかった。ソンタグには、人権組織やさまざまな個人から、イスラエルを訪れないように、この賞を受け取って、イスラエルを支援する結果になることを避けてほしいと求めた多数の手紙が届いたらしい。

イスラエルのハーレッツ紙によると、とくにイスラエルの左翼の女性グループが、ソンタグに授賞の拒否を訴えたようだ。
……(中略)……
そしてソンタグは授賞式に姿をみせた。そしてイスラエルオルメルト市長はソンタグの授賞祝いの演説で、ソンタグが出席したことは「自立性を証明する」と賞賛した。さらに国際メディアで近東での対立が一方的な報道されていると憤慨し、暴力を始めたのはイスラエルではなくパレスチナであることが無視されていると強調したらしい。

一方ソンタグは有名人が列席している授賞式の受賞スピーチで、イスラエルを手厳しく批判した。イスラエル軍は「過剰な軍事的な暴力を行使している」と指摘し、パレスチナ側の暴力にはまったく言及しなかった。さらに、イスラエルパレスチナの領土にユダヤ人のセツメルントを建設し拡張する限り、いかなる平和もありえないと警告した。こうしたユダヤ人セツルメントはすぐにも撤去すべきだと指摘した。

さらにこのイエルサレム賞の授与については、「わたしは単独者の声と、真理の複数性で構成される文学の創造のために苦闘しているイスラエルパレスチナのすべての作家と読者に敬意を表して、この賞を受け取る」と語った。

この演説に、オルメルト市長を除く多くの聴衆が演説に拍手し、ソンタグは「このような同意がえられるとは、予測しませんでした」と述べたという。そして10名ほどのイスラエルが、抗議のためにドアを叩きつけて閉め、ホールから退場したという。ソンタグは長居せず、すぐにガザに向けて出発したようだ。
http://www.melma.com/backnumber_26258_1844208/


 村上春樹が受賞を受けるのかどうか、受けるとして、どんなスピーチをするのか、注目です。
 ある意味チャンスですよ、村上さん。事と次第によっては、こちらのリストに載ることになるのでしょう。>「注意深くお金を使うために」

 この話、是非、あちこちで話題にしましょう。どうにかして村上春樹氏の耳に入らないかと思うわけですが、どうしたらいいんだろ?

追記

 P-navi infoのビーさんが、村上春樹へのメッセージをアップしています。

 話の性質上当然のことではありますが、この記事は、「いま、エルサレム文学賞を受け取ることの意味」についての最上の解説になっています。村上春樹氏以外の方にもオススメです。鈍い人たちは忘れているようですが、エルサレムには占領、分離壁、入植、差別等々、パレスチナ人に対するあらゆる抑圧が揃っている、イスラエルの象徴のような都市です。国際社会から承認されざる勝手首都、という点でも、イスラエル国際法無視の姿勢を象徴している、と言ってもよいでしょう。ハイファ賞でもテルアビブ賞でもヒドイことには違いありませんけれど、まぁ、よりにもよってエルサレムですか、というくらいの場所ではあります。

追記2

 なんと、上記追記で紹介したP-navi infoさんのメッセージを、toledさんこと常野雄次郎さんが翻訳してくれたお!!

 御礼ついでに、常野さんのブログのイチオシ記事もあわせてリンク。