モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

東国原とか橋下とか

 先の記事の続きのような。つらつらと思いつきを書いてみる。
 東国原氏は知事選に出る以前からあまり好きな人ではないので、どうしても反感が前に出てしまう。けれども、公共事業の談合ストップの方は、地元のゼネコンでチラホラ倒産が出てきてしまうくらいには真面目にやっているわけで、そこは評価すべきだろう。

 しかし、知事の手腕でできるのはそこらへんまでではなかろうか。地域間格差の問題は、もともと地方の努力不足の問題ではない。地元産品のPRと談合解体だけでは、結局雇用は作れない。昔チラホラ登場した改革派知事が続々転進したのは、地方行政のトップという位置でできることに限界を感じたからではないか。東国原氏は「企業誘致」を公約の一つとして努力しているようだが、補助金付きでないと難しいだろうし、補助金付きなら誘致する意味はほぼない。


 ところで、そのまんま東は「しがらみのない選挙」ということで、自民党の立てた候補を破って当選したはずだ。このことは確かに快挙ではあったし、参議院選挙での自民大敗に続く一連の一つでもあった。しかし、その流れが一番つまらないところに行き着きそうな、イヤな感じがする。

 今回、何が何でも勝つ以外になかった自民党は、従来の支持者に対しては自民党公明党としての票固めを行いつつ、無党派層に対しては完全にその存在感を消す戦術を取った。これは、橋下が本当に自民党とのしがらみを持たないからではない。それが戦術上一番賢いやり方であることはバカでも分かる話だからそうしたまで、だ。

 むしろ、橋下は自民党とのしがらみズブズブである。同じタレント候補とはいえ、そのまんま東の時とは全然違う。実際、橋下は大阪府の職員ばかりを攻撃する。府政を作ってきた議会、とりわけ自民党府議連を批判しない。そのあたりがどうなるのか。このしがらみをモノともせずに府議会ときちんと対決姿勢を持てるのかどうか。そこらへんが見所になるだろうと思う*1


 あと、その橋下をそのまんま東が応援に来たというのは、別の意味を読んでおくべきだろうと思う。つまり、なにがなんでも勝ちたい自民党が、自民党に土をつけた東国原(を担ぎ上げるような流れ)と和解しようとしているのではないか、ということ。自民党は、少なくとも宮崎県政において、土木業界に見切りをつけ農業・畜産業界や無党派への浸透にシフトした。もともと、東国原を担いだ流れというのは、談合によって滞留していた利権をこちらに返せ、というものに過ぎない。個別利害に応えてくれるなら誰でもいい。で、結局、個別利害への応答を寄せ集めただけの国政が維持される、ということではないのか。地方同士の、産業の間の、椅子取りゲームの構図は変わらない。結局のところ、地方政治の限界を形作っている国政レベルの構造は温存される。

 なんだ、このどうしようもない救いのなさ。

*1:まったく期待できないけれども、この予想は外れて欲しい。