モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

番組制作者と取材対象

 バウネット・ジャパンの1月26日緊急院内集会の音声を入手する@愛・蔵太の気ままな日記
 http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050212


 1月26日の集会の音声が聞ける。音声とはいえ公開することについてVAWW-NET-JAPANの了解が取れているのか、取る必要のないことなのかは僕は判断できない。個人的には、努めて冷静に議論・主張がなされているので、こうした音声が公開されることはVAWW-NET-JAPANの損失にはならないと思うが、当のVAWW-NET-JAPANがどう考えるかは別問題なので、現在あちらのコメント欄に問い合わせ中。


 録音の是非はさておき、愛・蔵田氏の次の言及について。取材の受け手と番組制作者の関係について。(というより、NHKとVAWW-NET-JAPANの関係の再確認。)

俺的に興味深いのは、最後のほうあたりの質疑応答部分(1時間50分過ぎたあたり)で、関係者の人から「取材に応じたときには、こちらの意図に沿うような作りかたをする番組だというので応じたが、実際はそうでなかった、ひどい!」みたいな言いかたをしているところでしょうか。そういう条件で取材したのなら、それはたとえオウム真理教だろうと何だろうと、その条件を満たさなければならないと思うんですが…これについては他の誰か・どこかで言及しているところはありましたっけか。

 製作者が取材の受け手の言うなりにならねばならない、ということでは多分ないかと思う。しかし、製作者がどのような番組にするにせよ、VAWW-NET-JAPAN側ときちんと議論し、納得のいく形が取れるようにしてくれ、ということぐらいは要求して当たり前だろうと思うし、VAWW-NET-JAPAN側がそうした穏当な線以上の法外な要求をしていたようには、僕には見えない。

 実際、この女性国際戦犯法廷の番組はどうだったのかというと、NHKの不誠実さがかなり浮き彫りになると思う。第一に、出演した米山リサ氏による改ざん箇所の指摘および高橋哲哉氏による指摘などに見られるように、その発言の主旨を歪められるような切り詰め方をされている。第二に、秦郁彦氏の批判に対して、VAWW-NET-JAPAN側の反論の機会を与えることもされていない。第三に、あろうことか、VAWW-NET-JAPANの松井やよりの発言を削除したこと。他にもまだあるかもしれない。


# これについては、次のURLを。:
  なぜNHKを提訴するのか@VAWW-NET-JAPAN公式サイト
  http://www1.jca.apc.org/vaww-net-japan/nhk/etv2001.html


 ここまでされて、それでも取材される側は製作者に物が言えないというのは違うだろうと思う。VAWW-NET-JAPANの側が法外な要求をしたのか?たとえば、秦氏のインタヴューを全面的にカットせよとか。したのかもしれないが、実際の経緯は、秦氏のインタヴューが放送されることすら知らされていなかったようなのだが、どうなのか。仮に秦氏インタヴューのカットを要求したにせよ、それを受け入れないまでも「秦氏への再反論をあわせて放送するというところで手を打とう」というような妥協案が出すこともできる。そうした誠実なやり取りを求める権利くらいは、取材の受け手にも当然あるとすべきだろう。実際、番組制作過程では、製作会社とNHKとVAWW-NET-JAPANの間で議論が積み重ねられたようでもある。
 しかし実際にNHKがやったことはなんだったのか。そうした議論の積み重ねの一切を反故にして、そうしたプロセスに参加すらしていないNHK上層部が好き勝手に番組を改変しただけだ。こんなことが、果たしてまともな組織のすることだろうか。取材相手に当たり前の尊重を与えようとする報道機関の姿だろうか。僕にはそうは思えない。