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イラクはなぜ危険なのか

 パレスチナ問題が最悪の局面を迎えてからでももう数年が経過している。その間にも、沢山の人がパレスチナ自治区に出入りしてる。そうした人たちの中の一人、森沢典子さんは著書『(パレスチナが見たい)』の中でこう述べている。

 私はパレスチナで今、なにが起こっているのかを自分の目で見たくて、一人でパレスチナへ行きました。二〇〇二年三月五日からの三週間、そこに住む人たちから話を聞いてまわりました。

 普通の人が、とにかく行ってみようと思って行った。それだけ。この方の話を直接聞く機会もあったけど、その中でも、行く前にそんなにすごい目的意識があったわけではない、ということは話されていたと記憶してる*1。そして、彼女は有名な一例に過ぎなくて、僕の知人だけでも5人は下らない人たちがパレスチナを訪問している。みんな怪我もせずに戻ってきた。確かに日本でのほほんと暮しているのと比べれば危険なところなんだけれども、だからといって余所者が入っていってバタバタバタバタ殺されるわけではない。殺されてるのはパレスチナ人だけ*2。それと比べれば、外国人の方は罪悪感を感じるほどに安全だ。イラクが日本人にとって危険なのは、そこが紛争地だからではない。日本がその紛争の当事者だからだ。自衛隊イラクにいなければ、香田さんがイラクにいったところで殺されるハメにはまずならなかったろう。今までに殺された他の四人だってそうだろう。巻き込まれる危険性と標的にされる危険性はまったく異質のものだ。

 だから、狙われる理由を考えなければならない。役にも立たない*3自衛隊は、何のためにイラクにいるのか。言うまでもなく、いいかげんな根拠ではじめた石油のための戦争を支持するためだ。そして、そのために、香田さんも、他の人たちも、狙われた。このことは何度でも強調しなくちゃいけない。

*1:ただし、目的意識もなくただ行っただけの人が、やっぱり行っただけの人だ、ということではない。『パレスチナが見たい』も、理解が浅いだのなんだのと叩く人は叩くんだろうけど、それでも沢山の人がパレスチナに行く中でなぜ森沢さんの言葉が広くウケたのか、その理由はわかる気がする。とにかく感受性の豊かな人なんだろうなと思う。

*2:もちろん皮肉ですよ。

*3:その根拠を確認したければ、http://d.hatena.ne.jp/claw/20041024からリンク先へ行こう。