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モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

「鳩山批判」なる絶望と残された希望

 普天間問題全国知事会 首相と出席知事の主なやりとり@asahi.com
 橋下が一人、大阪での受け入れ可能性に言及したとかの件から。


 本記事とは関係ないけど、本日もっとも重要な国際ニュース。>ガザ支援船をイスラエル軍が強襲、10人以上死亡 トルコ強く抗議

橋下徹大阪府知事 沖縄県などの犠牲の上に、大阪府民は安全をタダ乗りしている。普天間問題がクローズアップされ、チャンスだ。小学校の子どもですら、この問題を考えるようになった。ただ、自治体が動いても、米国からダメだと言われると動けない。2006年の米軍再編のロードマップを履行し、政府が第2段階の基地負担軽減というときに話を振ってもらえれば、できる限りのことはする。必要があれば、沖縄のみなさんにお願いをしに行き、大阪府民として申し訳ございませんと言いたい。

 前々から思うのだが、橋下が言及している「受け入れ」とは「訓練」のことであって、基地そのもののことではない。問題になっている基地負担の全体からすればごくごくわずかな部分の話しかしてないことは確認されたし。しかも、「政府が第2段階の基地負担軽減というときに話を振ってもらえれば」って、少なくとも今の任期中の話ではない。で、基地本体の負担については「2006年ロードマップを履行」なのだから、あくまでも沖縄に負担を、ということなのだ。

 つまり、鳩山が言っていることと何も変わらない。〆の「沖縄のみなさんにお願いをしに行き、大阪府民として申し訳ございませんと言いたい」などというのは、鳩山が「なんとかご理解を賜りたい」と言ってるのと何も変わらない。


 こんなことを言っている橋下が批判されることなく、それどころか「負担に言及した唯一の知事」(なんかいいこといっとる)みたいな報道のされ方をするというのは、まったく意味不明である。……なんてな。意味は明瞭すぎるほど明瞭である。つまり、今問題にされていることは「辺野古案」ではなく、「辺野古案の持って行き方」であって、「押し付けるんなら、地元の怒りが爆発せんようにもっとうまく押し付ければよかったのに」というものでしかない。そうであるなら、橋下のロードマップ支持なんて問題なしということになっても当然だろう。

 こういう観点から民主党内から出てくる鳩山批判を見てみると、これがまた判で押したように辺野古案に言及しない。福島氏が罷免された夜の朝生では、民主党川内博史が「自分の意見はあくまでテニアン」と言い張ってたけど(ただ、鳩山批判というより、防衛・外務両大臣批判だったかな)、その他は普天間基地の移設先についての見解にまったく触れない。この騒ぎの発端が何であったかを考えれば、かなり奇妙なことである。……なんてな。まぁ、問題が「押し付け方」でしかないなら、こんなものは奇妙でもなんでもない。本音は橋下と同様ということ。

 それならそれで辺野古案支持を鮮明にすりゃあいいけど、それもしない。曖昧に濁しているあたりに腐臭がするのである。そのあたり、橋下は明確に言及しているのに「大阪でも受け入れ」みたいな食いつきのいいネタを混ぜておくことで、微妙に有利な立ち位置に潜り込んでいる。こういうセンスだけは相変わらずさすがである。

 それはともかく、自民・公明の連中の鳩山批判もまったく同じ路線なのであって、そちらには最初から1ミリも期待しない。「みんな」とかその他有象無象の右派泡沫政党も同様。そう考えると、普天間基地移設問題をめぐって各政党・政治家の地金が見えてきたと思うけれども、見えてきたその光景には想像以上に酷い有様だなぁ、と思わざるをえないのである。パンドラの箱を開けたら、みんな飛び出していった。残ったのは社民党だけだが、その社民党も予断を許さない。



 希望は二つ残っている。福島瑞穂が罷免されるまで踏ん張った上で社民党が連立離脱したこと、それと、「5・27普天間問題緊急声明」。

 まず「5・27普天間問題緊急声明」について。ただし、この声明は連立離脱前であるので、連立離脱後、態度を変える人もいるかもしれない。そのあたりは、「民主党左派に注目すべし」と述べた前回の記事とも関連する。ここに名を連ねたような民主党左派が今後どう行動するか。……しかし、辺野古案を批判することは、辺野古案「だけを」批判することを意味しないということをよく考えてほしい。辺野古案に象徴される、説明のつかない不誠実さの政治に対して批判するかどうか、ということが試されている。医療問題であれ、貧困問題であれ、その他どんな社会問題であれ、そうした不誠実さを糊塗した政治の中で解決が可能なことか、よくよく考えていただきたいと、各方面に対して思う。

 で、社民党の連立離脱について。既に述べたように、連立内で(鳩山批判ではなく)辺野古案批判の立場を明瞭に示した政党は社民党だけである。行きがかり上とはいえ、とにもかくにも、現状では社民党共産党しか選択肢がないこの党だけが辺野古案批判の唯一の選択肢となっている*1。このままの構図で参議院選挙に向かうならば、とにもかくにも、社民党には1つでも2つでも議席を積んで、1票でも2票でも票を伸ばして、存在感を示してもらわなければならない。そんな中で気になるのが、民主党との「原則なき」協力を模索している(としか思えない)社民党員の人たち。たとえば、連立離脱直後にさっそく選挙協力の打診をしたという重野幹事長、「民主党との選挙協力の前提は鳩山退陣しか道はない」と語ったとされる(逆に言えば、鳩山が退陣したら協力しても構わないとでも思っているのかと小一時間問い詰めたい)又市副党首*2、このあたりの動きが気になる*3。福島氏、保阪氏、その他大半が連立離脱に賛成だったという地方組織の皆様方にしっかりやっていただきたい。

 改めて思うが、勝ち負けは大事だけれども、選択肢が最初から消えたら負けることさえできない。政治は政治家のものではなく、私たちのものである。政治家の第一の仕事は、「正しい」と思える選択肢を政治の中に作ること、残すこと。その選択肢を掲げて勝つか負けるかはもちろん大事だけれども、しかし、それは選挙民が決めること。選挙民の社民党民主党の心ある方々においては、残った最後の砦だけは放棄することのないようお願いしたい。


追記:共産党を忘れていた(笑)。本論とは外れるけど、少し言及しておく。他に選択肢がなくてどうしようもなければ共産党を選ぶしかないのはいつものことなのだけど、この党は政権に参加する意志がほとんどないところがネック。といっても、この点がネックであるというのは、単に「現実に成果を出せないから」というような理由ではない。もちろん、それもなくはないけど。連立のための具体的な協議を行うということは、そのプロセスを通じて「自分たちの政策をも批判的に検討する」という機会でもある。その機会を簡単に手放しているところに、共産党のある種の独善性と通底するものを感じるので、どうしても積極的には選べないとこがあるんだよなぁ。まぁ、そんなこんなで。

*1:訂正。共産党の存在忘れとったわ(笑……ってごまかす)。

*2:id:enemyoffreedom氏のご指摘により訂正。

*3:ついでに言うと、辻元清美のテンションの低さも気になる。考えすぎならいいけども。