兵糧攻めは「停戦」ではありません
イスラエルが「一方的攻撃停止」するんだとかなんだとか。これ、全然停戦でもなんでもないので、皆さま、騙されないように。
- 【ガザ侵攻】イスラエル、真の狙いは「実質支配」 一方的停戦検討@産経ニュース
- 「一方的戦闘行為停止」は「攻撃継続」に等しい@Hot Topics@パレスチナ情報センター
- イスラエルの「一方的攻撃停止」はまやかしだ@P-navi info
この「一方的攻撃停止」が行われても、必要なときに空爆はできるし、今までもしてきたし*1、パレスチナ人を好き勝手逮捕するし、云々。これまで同様、境界は封鎖し、電気もガスも水道も断続的に、かつ、長期に渡って停止され、食料や医薬品を含むありとあらゆる物資が不足するままに放置される。これがパレスチナ人にとって平和でもなんでもないことは、説明する必要はないですね。これに比べれば、秀吉が三木城や鳥取城でやった兵糧攻めの方がよほど平和的な停戦です。
要は、(民主的選挙を通じてパレスチナの代表となったはずの)ハマスを外し、エジプト・イスラエル、および、(選挙で負けたファタハが牛耳ったままの)パレスチナ暫定政府だけでガザの境界線の管理を行う枠組みを作るためのもの。もちろん、パレスチナ暫定政府の関わりは、「パレスチナも枠組みに参加している」とエクスキューズするための名ばかりのものです。
ともかく、空爆がやむのは望ましい話でしょう。しかし、誰かが馬乗りになって別の誰かを殴っていたら、殴るのを止めるだけでなく、馬乗りになっているのをどけようとするでしょう。殴るのをやめさえすれば、馬乗りのまま押さえつけてても「平和になった」とは言うでしょうか?つまりは、そういうこと。
ただし、これを「停戦」として納得してしまうことは、他ならぬ私たちにとっても都合のよいものです。なぜなら、「停戦」であるなら、ともかく問題は去ったのだし、これ以上声を上げる必要はないし、あるいは、声をあげないことの後ろめたさも感じる必要はないし、ウザい反戦デモを見なくて済むようになるからです。だから、嘘と薄々知りつつ、嘘を広めようとする、騙されたフリをする人が、必ずいるでしょう。こうした嘘が広まることを、警戒しなければなりません。
イスラエルに騙されること、あるいは、騙されたフリをすることは、再び、三度、四度(実はもう数え切れなくくらいなのですが)、パレスチナの人々を裏切ることになります。問題にされるべきは、イスラエルによるパレスチナの占領です。まやかしの停戦は、まやかしであるということが、広く認識される必要があるでしょう。