モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

HALTANさんへお返事

 発端は、http://d.hatena.ne.jp/Romance/20081029/p1 ですね。僕が「すばらしい」タグをつけたこの記事に、HALTANさんが http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20081030/p2 のような記事を書かれたので、次のようなブコメをつけました。

2008年10月30日 mojimoji なんだこりゃ 「…金融・財政政策が必要」とかは誰も書かない」>前に書いたよ。>http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20080930/p1 /Romanceさんは野宿者を助けろと言ってるのであって、アルミの価格を上げろと言ってるわけじゃないでしょうJK。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http%3A//d.hatena.ne.jp/HALTAN/20081030/p2

 お返事いただいたので、再度お返事。

 まぁ、その上で言うと、公的資金の投入は免れないだろうなぁ、とも思う。投入しても収まるかどうかわかんないけど。それでも、やるしかないだろう。しかし、それを本当に実現したいのであれば、当然の怒りに対して率直に謝るくらいのことはすりゃあいいだろうに。ブッシュが、なんか危機に際して颯爽と登場した決然たるリーダー、みたいな顔してるのはどう考えてもおかしい。まず謝れ。話はそれから。
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20080930/p1

 自分が前からよく分からないのは、mojimojiさんのような専門家の方がなぜ「まず謝れ。話はそれから」とか、佐高信みたいなことを仰るのだろうかという点。もちろんモラル・ハザードwikipedia:モラル・ハザード問題などはあるにせよ、ただ「謝れ。話はそれから」とか断言してしまうと、結局そういうのは我々世間知大衆(知的大衆)を喜ばすだけであんまり実りがないというか、世間の金融エリートや富裕層に対するルサンチマンを満足させるのが先になってしまい本来は最優先に為すべき政策が後回しになるだけなんじゃないでしょうか?
http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20081030/p2

 だから、こういう危機のときにはすぐさま一致団結できるようにするために、一人一人をちゃんとみんなで守る、そういう社会をコツコツと作っておくべきだったの。この社会を壊したくない、そう思うように一人一人を大事にしておくべきだったの。問題は、金融危機の顕在化とともに始まったんじゃない。とっくの昔からはじまっていたの。危機は、金融危機のことだけじゃない。もっとも弱い一人一人において、とっくの昔にはじまっていたの。だから、ちゃんと一人一人を守れるような経済システム、財政構造を作れと、言ってきたわけ。それを片っ端から「自己責任」と言って切り捨ててきたの。近年、ずっと。まさに、金融エリートや富裕層の自己都合を満足させるのが先になって、「最優先に為すべき政策を後回し」にしてきたの、少なくともこの10年。その結果が、金融危機への対処に対する無理解であり、怒り。

 それでも、ちゃんと謝れば、今までの経緯は措いても、「金融システムへの公的資金投入はしょうがないかなあ」と、かなり多くの人が考えてる。「まず謝れ」、その上で、これからは違う政治をやるんだよな、だったら、公的資金投入自体はしょうがないよな。そう考えてる人は結構いる、ってことだ。僕のその記事にスターつけてくれた人もそうだろうし、たとえばhokusyuさんだって、こう書いています。>http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20081002/p1

 HALTANさんの記事がどうしようもなくおかしいのは(それも毎回)、ある一方の人たちは説得すべき対象としながら、他方の人たちはそのように想定されていないことです。僕にとって、僕以外の人間は、政治的立場によらずすべてが説得の対象であるので、その認識にしたがって物を書いてます。多くの左翼は、謝るならば、そして、危機の後にちゃんと経済システムを「みんなのための」システム、「弱い人を切り捨てない」システムにすることを約するならば、今回の危機への対応を支持するでしょう。

 逆に言えば、HALTANさんはそういう人たちを「説得する対象」としてはみなしていない、あるいは、恐ろしく稚拙な上から目線の説得モドキをしている、ということでしょう*1。観客席で批評してみせる人というのは、いつでも、こんな風です。HALTANさんも、左翼をコキ下ろすのと同じくらい厳しい目で、それ以外の人も見てみたらどうでしょうか。

 「謝る」のに時間なんか必要ありません。即座にできることです。危機だ危機だと言う人たちが、本当にこの危機の意味を理解しているならば、謝れるはずなの。ちゃんと頭下げれば納得するのに、どうして頭下げないんだ、ブッシュも麻生も竹中も。グリーンスパンを見てみなさい。ほとんど人生かけて信奉してきた自説の誤りをちゃんと認めたでしょう。僕において、いかに政治的立場が近くとも、すべての人は「説得の対象」ですから、「謝れ」と書いたのです。それが公的資金投入に反対ないし懐疑的な左翼を説得するために必要だと考えたからです。あなたが「左翼」を説得したいと思っているのなら、それこそ「戦略」を見直すべきでしょう。

 あるいは、説得などする気はない、それは自分の役割ではない、云々、と、まだおっしゃるのでしょうか?だったら、「左翼」にも同じように言われるでしょうね。問題は、あなたが観客席から出てくるかどうか、だと思いますよ。


 残りは、http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20081031/p2 に。

 

*1:別に、目線が上からなのは、構わないんですけどね。でも、そういうところが稚拙だと、左翼を批判してたのではないので?