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橋下府政に期待できるか

 なんか、橋下府知事が泣いたそうで。おいおい、と思わないではないが、まぁ、そういう芸風なんでしょう。好きか嫌いかで言えば、嫌い。で、芸風そのものについては、好き嫌いを云々する以上の価値などないので、これ以上は触れない。で、その政策について。


 橋下は、ただただバカの一つ覚えで支出削減を要求するだけ。何が具体的に支出できるのか、して大丈夫なのか、そういう具体的な中身を考える気は最初からなく、ただただ「知恵を出して欲しい」と言うだけ。政策でもなんでもない。一方、泣かした側の市町村長の側も、「まず府庁内部で阿修羅のごとく血と汗を流したうえでないと、府民に負担をしいることはできない」(吹田市長)とか、つまりは府庁職員の給与削減とかそういうことか、「売り言葉に買い言葉」以上の反論ではない。

 そもそも地方経済の疲弊は、国レベルでの制度がおかしいことに最大の原因がある。かつては一部の特定層に利益誘導する非効率な再分配制度、現在はその制度を壊しただけ、その中で地方自治体にできることなど、最初から限られている。つまりは、問いを扱うレベルが間違っている。この問題は、まず国政レベルで考えるべきことを考えない限り、どうにもならない問題なのだ。──ここで、橋下が「現与党と喧嘩できない知事」であることを確認しておく。つまりは、こんなのを自治体の長に据えた時点で、短期的にはできることは何もなくなってしまった。こんなの選んだ180万人余は、ホントにバカだなと思う。府知事は国に向かっては何も言えず、府下の自治体に支出削減をお願いするしかなく、市長村長は無理だと返すしかない。当分、府と市町村のいがみ合いが続くだろう。国の責任を不問にしたままで。不毛な内戦状態。


 ただ、一つだけ道はあるかもしれない。橋下が、選挙で推薦してもらった経緯などまったく無視して、真剣に現与党を批判し、戦えばいい。義理や筋の面から言うなら問題アリだろうが、そんな小さな義理のために府民を見殺しにしたりはしませんよね、熱血府知事様は。それこそ「与党に擦り寄ったのは選挙のための戦術」と言えばいいんじゃないでしょうか。「府知事になって勉強してみたら、国の問題だとよくわかりました」でもいいよ。あるいは、それこそ「不義理してスイマセンでした、でも」って、ちょっと泣けばいいじゃん。「戦術」で。そこまでやるなら、それはそれで認める。「選挙戦術」で「府債ゼロ」などと放言するよりは、よほど気が利いている。──どうしてもそんなこと言えないなら、辞職しろ。これだけデタラメな国政と喧嘩できない政治家なんて、首長にも議員にもいらないよ。