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「羊水」発言について

 倖田來未は、ピュアなキャラクターを演じるというよりも、そのように生きようと結構本気で考えているように見える。個人的には、全然好みのタイプではないけれど、その本気風なところは嫌いではない。いつかのテレビ番組での「水伝」発言*1もそういう彼女のキャラクターにはぴったりのファンタジーではある。科学的にはバカげた話ではあれ、それでも「そんなこと気にしなくても、気持ちが大事だよね!」という路線であったのかもしれない。彼女は、知的に考えるということを拒否したのではないにせよ、少なくとも回避してはいた。

 しかし、「水伝」は「バカ」で済むけれども、今回の発言はさまざまな位置にいる具体的な当事者を傷つけてしまう内容になってしまった。そのことに、当の本人が一番傷ついているのではなかろうか。活動自粛も、スポンサーに嫌われたということでもないようだ。だとすれば、当の本人が活動できない心理状態にあるためではないか。──これはまったくの想像でしかないが。

 誰かの存在やあり方を知りもしない、理解もしないままで、その誰かの痛みを思いやるということはできない。きちんと地に足をつけて考えるということを回避している限り、この種の事故は避けられない*2。純粋であろうとすること*3は知的な作業だ。そのことに、彼女自身が気づいてしまったかもしれない。──彼女が復帰するときに、今いる場所から一歩ずつ思考と理解を積み重ねていく覚悟を決めてくるのか、それとも「いちいち気にしていられない」という開き直りを携えてくるのか、そこに注目したい*4

*1:本放送時にたまたま見てたけど、すごかった。

*2:まぁ、回避しなくても避けられないのだけど。

*3:純粋であることなどできないが。

*4:てゆーか、個々の芸能人にいちいち注目なんかしてないな。多分、しばらくしたら忘れてるわ。