モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

ねじれ国会について

 なんだか、あちこちであんまりな言われようを耳にしたので、忘れないうちに簡単に書いておく。
 衆参ねじれ国会のために法律が作れない、今度の臨時国会でも一本も法律が作られていない、それが問題だ、政治の停滞だなどと言う声がある。バカを言うな、と言いたい。二十近い数の強行採決で法案を通すだけのことが、政治の生産性だ、などと言うつもりだろうか。ロクな議論もせずに通した法案の数など、マイナスであって成果などではまったくない。
 7月の参議院選挙は、酔払い運転の暴走トラックを止めたのである。そんな危ないものが走っているよりは、止まっている方がずっとマシだし、それが止まったからには、今度の臨時国会は先の通常国会よりずっと生産性は高いのである。マイナスよりゼロは大きい。学校でそう習ったはずである。
 それにしても、少しは選挙の敗北に懲りて、まともに人前で通用する議論をするようになればいいのに、この期に及んで、まるで「ねじれ国会ゆえに」問題が発生したかのように語る与党の政治家連中を見てると、本気でヘドが出る*1。どちらかというと、与党に批判的な人の中さえ「政治の停滞」という言説を真に受けている人がいるようなのが気にかかる。繰り返すが、政治の生産性とは、一体何を指して言っていることなのか、言うべきことなのか、5秒でいいから立ち止まって考えてみるといい。
 昔から、「所詮政治は」という愚痴はあったにせよ、それでもあんなに大量の強行採決をした時代はないのだ。そのことだけを取ってみても、自民党の政治集団としてのレベルは以前とは比べ物にならないほど落ちている。現在のあらゆる政治混乱の元凶は、議論をしない・できない、ここ何年かの与党の体質のせいである。別に、野党のレベルが高くなったというわけでもないにせよ、責任は与党にある。与党であるとは、そういうことのはずである。


※ 以下、余談。テレビで、自民党の議員が、福田が小沢に対して何を持ちかけたのか「わからない」「藪の中」と平然で語っているのを聴いたが、こいつらは本当に救いようがないなと思う。それについて怒らないのかと問われて、「自分達が選んだ総裁だから、それは仕方がない」と言う。ここで連中が容認している「自民党総裁自民党議員の関係」を、そのまま「自民党議員とその選挙民の関係」として考えてみればいい。彼らにとって、選ばれた者が選んだ者に対して示すべき仁義はその程度のものだ、ということである。心底呆れる。

*1:国民がバカだから選挙で負けたのだ、と言っているも同然である。