モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

keya1984氏への私信──沖縄戦「自決強制」関連

 「「空気」を気にする日本人の精神主義的教育論@Backlash to 1984」に対して、コメントつけたら、反論されたので、返事を返す。たいした内容じゃありません。

米軍はソ連軍とは違い、投降しておれば救われた命は多かったでしょうね。しかしそれは結果論でしょう。「恐怖を煽って」と言いますが、ソ連軍は強姦も拉致も殺害も略奪もし放題だが米軍は投降すればそんなことは少ないよ…などと敗戦前にどうやって知ることができたのですか? 都市への無差別の空襲などを見るにつけ、当時の日本人なら「鬼畜米英とはまことであった」と感じていたに相違ありません。

 責任転嫁はやめましょう。そんな知ることができたかどうか以前に、日本軍としては投降されては不都合だという状況があり(陣地構築などで住民を徴用し、機密が広く知れ渡っていたため)、そのために組織的に投降阻止することを軍の方針にしたんです。それが「軍官民共生共死の方針」です。これは軍の公式文書において確認されていることです。…てゆーか、そもそもソ連の侵攻は沖縄戦の後じゃないですか。日本軍の責任は明確です。

…という言い方をすると、「私は日本軍の責任を否定してない」とか言い出すので、引用順序を変えて次のところを問題にします。

ただし、では旧軍は責任無しかと言えば、そんなことはありません。兵士といい民間人といい、きちんと当時の国際法などを教え、投降についても情報を教えておかなったことも含め、当時の軍に責任はなかったなどとは言えません。それは引用したサイトの議論にも出ておりますので、あらためて言うまでもないことでしょう。私が軍に責任無しなどと主張しているのではないことはエントリを読めばわかるわけであって、ここでもmojimojiさんの癖、相手が主張しているどころか否定していることを、さも主張しているかのような逆転する、それをなさっておられます。

 あなたが日本軍の「ある種の」責任を認めているのは理解してますよ。で、僕が問題にしているのは、それとは質の違う責任なわけです。たとえて言えば、あなたはいわば「いじめの傍観者としての責任」を認めているわけですが、僕が問題にしているのは「いじめを中心的に企図した責任」について述べているのです。で、繰り返しますが、「軍官民共生共死の方針」なんですよ。「共死」です。これは明確に軍が企図したことです。誤解のないように言えば(本来、誤解するわけもありませんが)、これは沖縄県の官民も一緒になって、一致して決めた方針ではありません。軍が勝手に企図して、それに沿って官と民を編成していったのです。

そして事実、沖縄戦では降伏・投降しなかったことをもって軍民ともに洞窟の中で焼き殺されたわけでしょう。降伏・投降を呼びかけたても応じなかったのだから皆殺しにされても仕方なかったのである…というのは米国の論理になるわけです。あなたの論理からは、無差別爆撃も原爆も正当化されることになりませんかね。

 僕は投降させなかった日本軍の責任を問題にしていますが、だから焼き殺した米軍に責任はない、などと述べたことはないのですけどね。言ってない事を言ったかのように捏造してるのはkeyaさんの方じゃないですか?

そういう心理が「勝手に」生まれたかのような認識だと思いますが

ほら、「軍命令があったのでなければ、集団自決は本人達の勝手にしたことになる」という論理を実際に主張しているのは左派ではないですか。馬鹿馬鹿しい。

 「軍命令がなければ、集団自決は軍の責任において起こったこととはいえなくなる」という論理を主張しているんですね。で、これは真っ当な論理です。かつ、あなたの言う「勝手にしたことになる」という論理とは違うものです。で、ここで「軍命令」に代入されるべきものとして、「集団死直前の直接の軍命令」について言えば、個々の具体的な誰かが命令を出したか、という話なら争いうるでしょう(どこにもなかった、というのはあり得ないと考えられます。報告が多数ありますから。ただ、赤松が出したかとか、梅沢が出したかとか、具体的な誰かの話なら争いうるでしょう)。で、ここまできた段階で、直前の直接的な命令がなかったところでは軍が強いたと言えないか、という話になるんです。なりませんよ、というのが僕の述べていることです。単に「国際法について周知しなかった」という消極的な点だけでなく、「投降されたら困るから、投降しないように教化も含めたあらゆる手段を講じておこう」という明確な方針を持っていたんです。その意味での間接的な(より巧妙な)命令・強制はすべての集団自決においてあったと解釈すべき、という話なんですね。

 これが仮に、「民間人を戦闘に巻き込まない、有効な戦闘が遂行不可能になったら、沖縄守備隊の構成員は速やかに投降する」というのが軍の方針だったとすれば、そこで考えられる軍の責任はかなり違うものになるわけです。当たり前ですが。