モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

keya1984さんの「付記2」に答える

 本エントリは、keya1984さんへの私信のようなものです。「野宿者の公園居住は国際法的に容認されている」に対して、「住居の強制撤去について」の付記2で述べられている再反論について。

※ しかし、応答するなら(応答した事を知らせたくないわけでないなら)、別エントリにしてトラックバックするなり、こちらがちゃんと知ることができるように、もう少し配慮してほしい。

「野宿者の公園居住は国際法的に容認されている」という風に主張がスライドしているが、野宿者の公園居住が国際法的に否認されているわけがない。だからと言って、「公園に居住権があるのにそれを知らないのは無知」「それは国際人権規約に抵触する」「その一般的規則7に照らして自立支援センターは不当」との主張、およびそれを受け入れるのが国民の義務であるかのような主張、それは誤りだと指摘したまでである。

 (1)野宿者に「消えてなくなれ」(=死ね)と正直に言う。(2)野宿者の公園居住を認める。(3)野宿者の公園以外の場所での「十分な居住」を実現することを認める。誰であれ、その人が論理的に一貫した意見を口にしているのだと言いたいなら(それは検討に値する一つの意見として承認されるための最低条件であるが)、このどれかしかありえない。だから、(1)を言わない、(3)は困難とすれば、(2)を認めるしかない。(2)を認めることは、(1)と(3)を認めない人の義務である。

 スイマセン、まったく意味不明でした。とりわけ、「それより、「野宿者は消えてなくなれ」と言う主張をしていると同然なのは、むしろmojimojiさんの論が内包している問題だと最初に指摘してある」のところは、一体何がどうなってそういう話になるのか、まったく分からない。

釜ヶ崎もウトロ地区も公園ではなかろう。今回の問題におけるmojimojiさんの国際法解釈が正しいことの根拠にも何にもなるまい。

 簡易宿舎に宿代を払って滞在している人は、定義により「ホームレス」ではない。他人の私有地に住むよりは公有地に住むことがまず考えられるだろうから、ホームレスは公有地に住んでいると考え、それを擁護している。とすれば、社会権規約委員会はホームレスが公有地(⊃公園)に住んでいることを想定した上で、それを擁護している。
 で、逆に聴きたい。このkeya1984氏の言い分が正しいとする。すると、社会権規約委員会は「ホームレス」が一体どこに住んでいると理解しているのか。keya1984氏の解釈を聴かせて欲しい。

なお、この箇所はまさしく同委員会の政治思想的な偏向をうかがわせる端的な部分である。「ホームレスをなくすため」とは何事か。ホームレスは常にいるものなのだ、ということを否定しているではないか。ホームレス根絶を基準にしてしまえば、およそどんな政策を取ろうが「不十分である。ホームレスがこんなに大量にいる」という判定しかできまい。

 100点を取ることが不可能であることは、100点を目指さないことの理由にはならない。よりよい状態を達成するために完璧な状態を目指す、という枠組み自体は、私たちの周囲のどこにでもある。悪人は決していなくならないだろうけど「凶悪犯罪撲滅」が言われるし、交通事故も決してゼロにはならないだろうけど「交通安全週間」が設定される。テロリストも決して根絶はできないとしても「対テロ戦争」は行われる。
 これらのことは、その目的設定や実効性について疑問を呈されることはある。しかし、「根絶」を目標にしている、という理由で非難されることは、普通ない。

 以上のことから、「かような主張をしている活動家から」と言われる筋合いもなかろう、と思う。
 社会権規約委員会の政治的偏向を心配される前に、まず自分の立ち位置はどこなのか、なぜ自分はそこに立っているのか、その合理的根拠はなんなのかを今一度再検討されることをオススメする。