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「これ以上、沖縄に甘えるな」──差異の自覚と連帯

 「沖縄県知事選に寄せて - モジモジ君の日記。みたいな。」にTBをいただいた。>http://blog.drecom.jp/tactac/archive/1246
 応答する。


 忘れてはならないのは、今回の選挙は知事選だ、ということだ。地方の選挙だ。地方の利害が賭けられている。つまり、その地方に住んでいない人間の利害は賭けられていない。地方選挙の結果は、沖縄の地域経済に対する直接の報復として帰ってくる。そんな中で「仲井真を勝たせたのは所詮敗北だ」と言い放つ図々しさは僕にはない。
 沖縄に住む沖縄人、沖縄に住まない沖縄人、沖縄に住まない日本人、沖縄に住む日本人、すべて微妙に、あるいは大いに、立場は違う。その差異に対して繊細になるのでなければ、連帯などとてもおぼつかない。具体的に言おう。こうした差異を視野に入れずに「左翼としての厳しい総括」をすることは、決して自己批判などにはなりえない。選挙結果によって何ら迷惑を被ることのない沖縄以外の居住者が懲罰的な兵糧攻めを受ける人々を大上段に否定しているだけのことだ。「醜い日本人」とは、保守的な日本人だけに向けられた言葉ではない。差異に鈍感な本土の左翼に対しても向けられた言葉だということを忘れてはならない*1。目取真が撃つのも、その身勝手さである。
 「「補助金とかはもういいから、安全をかえしてほしい」と痛切にねがう住民の意思」!「経済も、安全も」と述べる当然の権利を求めて何が悪いのか。それが困難であるのは、私たちが総選挙で負けたからではないか。「基地」にせよ「経済」にせよ、安全保障と国際平和に関する、あるいは地域間経済格差に関する、国家レベルの話である。その政策を押し留めるかどうかの戦いは、基本的には国政レベルの選挙で戦わねばならない。・・・直近の国政レベル選挙とはどういうものであったか。自公政権の大勝だった。そんな中、沖縄の選挙区はどうだったか見てみよう。・・・一区では無所属の下地幹郎。二区では照屋寛徳小選挙区としては、社民党唯一の勝利。三区では自民候補に譲ったものの、社民と民主の合計では勝っている。ここは候補を揃えなかった民主に足を引っ張られたと言っていい。完全に負けているのは四区だけだ。状況が厳しいのは、すべて私たちのふがいなさのせいではないか。
 仲間が獲得した何かを、きちんと評価すべきだ。それなくして連帯など無理だ。私たちが私たちの足元での前進を少しでも勝ち取ることを考えよ。そうすればその大きさに応じて、沖縄は基地を拒否する自由を得るだろう。繰り返すが、あちらはあちらの戦いをきちんとやっている。今回の知事選も、昨年の総選挙も。ふがいないのは我々だ。もうこれ以上沖縄に甘えるな。

*1:大田がどう書いたかは知らない。しかし、目取真俊や新川明などは、そういう指摘をしていたはずだ。