モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

仲正昌樹氏に返答します。

id:nakamasamasaki様。
少しクドクドしくなってしまいますが、誤解を解くことと、僕自身に本当に非がある部分をきちんと選り分けるために、できるだけ細部についても省略せずに状況の説明をさせていただきます。

赤木大介なる人物の件について

事実から申し上げます。僕は、赤木大介なる人物の名前を少なくとも一昨日の夜まで知りませんでした。誰かのブックマークで
http://d.hatena.ne.jp/reds_akaki/20051112#p1
のエントリを見つけて、仲正氏が八木氏らと鼎談を行ったこと、それについて何か怒っている、「仲正氏に伝えてくれ」と言い得るような関係か立場の人であること、ということを知りました。しかし、今、現在においても、僕はこの人がどのような人か知りません。
以下、そのエントリを読んだ僕の状態についての詳細な記述です。そのブログの中に出てくる「勝共連合」なる言葉の意味は僕には分かりません。エントリの文脈から「統一協会生長の家につながる勢力?」と読んでいますが、今も正確な意味は分かりません。「統一教会のスパイ容疑を受けていること」については、僕はまったく知りません。先のエントリにおいても、とりあえずは八木氏らがそのシンパであると指摘し、「そいつらと仲良く鼎談とは何事か」という文脈であり、結果的に統一教会に利するようなことをしている、という批判だと読みました。
以上のように読んだ上での僕の認識を示します。統一教会については、世間一般で悪い感情を持たれている存在であり、そこから影響を受けて僕も良い感情を持っておりません。ただし、僕は統一教会のことについてほとんど何も知らないので、統一教会のことを批判したことはないし、できません。批判する必要がある場面に出くわしたら、それから調べはじめるでしょうが、今のところ、統一教会について僕はほとんど知識を持っていません。ごく素朴な、新興宗教一般に対する警戒心を無根拠に持っているに過ぎません。
八木氏については、そもそも統一教会について僕がよく知らない以上、「統一教会との関係がある」という理由では、具体的に何を批判することもできません。単に、八木氏が他で書かれたものとして、ジェンダー関係での発言はあんまりだ、ということは知っておりますので、そういう意味で良い印象は持っていません。というより、相当悪い印象を持っています。
そして、仲正さんが八木氏と対談されたことについては、いぶかしむ気持ちは少しはあります。しかし、鼎談した、という事実だけで非難されるべきことでもないと思います。赤木氏のエントリでは、鼎談した事実以上のことは何も分かりませんから、内容が分からない以上、そのことで仲正さんに対する印象がどうの、ということはまったくありません。

あなたは、私が赤木大介なる人物から、統一教会のスパイ容疑を受けていることを知っているはすです。そのことは黙っているのですか。

説明させていただいたように、僕はそのことを知りませんし、今もって事実かどうか分かりません。ただし、そのような事実があるならば、それはもっての他だと思います。しかしそもそも知らないので同調などできようはずもありません。ついでに言えば、僕は仲正氏の統一教会に関する経歴をほとんど気にしていません。僕の読んだ範囲の文章では、仲正さんの経歴を意識する必要はそれほどないようなことが主題にされていると思うからです。仲正氏が他で書かれているという統一教会をやめた理由についての文章などは読んだことがありません。

トークイベント記事へのブックマークコメントについて

次に、hazama-hazamaさんのエントリで、東京で行われたというトークイベントの記事を読みました。
http://d.hatena.ne.jp/hazama-hazama/20051114#p2
この中で、特に引っかかったのは「それに、八木みたいなの批判したってああいう人は聞く耳もたないでしょ?」という点です。聞く耳もたないから批判はしないとおっしゃるのであれば、『お金に「正しさ」はあるのか』やしばしば伝え聞く仲正氏の発言での左翼批判は一体何なのだ、と思いました。それが、そのエントリのブックマークへのコメントになっています。ここに引用しておきます。

mojimoji:個人的には、左翼の一番ダメな人を選んで攻撃しつつ右翼は賢しげに放置、という路線は一番汚いと思う。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/hazama-hazama/20051114%23p2

hazamaさんのところのコメントに書きましたが、最近は高橋哲哉氏なども批判されているようですから「一番ダメな人を選んで」というのは間違いだと思いますので、この点は訂正します(コメントも後で書き換えます)。しかし、同じように問題があるときに、批判したりしなかったりというバイアスがあるように私は思います。それは単に存在を知らないだけではなく、目の前に八木氏がいてさえそうだ、ということをトークセッションの記事を見て考えました。『お金』の路線は今も変わらないのだな、とというだけでなく、目の前にいてさえそうなのか、判断しました。この判断は拙速だったかもしれませんし、そうではないかもしれません。
今から思えば、hazama氏の引用だけで判断したのは迂闊だったかもしれません。もし、「それに、八木みたいなの批判したってああいう人は聞く耳もたないでしょ?」という発言が事実と異なるのであれば、僕の感想は成り立ちません。きちんと確認できていないことですから、一度撤回したいと思います。
その上で、このhazama氏のブログで紹介されているその発言が真実かどうかを、教えていただきたいです。

注で、しかし僕は仲正さんがオールタナティヴ社会的実践のようなことをしているかどうか知りませんと、書いていましたが、あなたは『不自由論』やあの本の中で私が短く言及しておることを理解できないほど、識字率が低いのですか。

次のエントリのことを言っているのだと思いますが、
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20041202/p1
そこで述べていることは、引用すれば、左翼批判をする人が、「実際にどこに向かっていきたいのかを示すことがあまりない」という点になります。実践活動として、どこかで何かをしているかしていないか、とはあまり関係がありません。「仲正氏がどうか知らない」と書いてあるのは、「他の文章の中でそうしたビジョンを展開しているのかどうか事実として知らない」と述べているだけです。
ただし、次のことは述べておきたいと思います。『お金』における記述から少なくとも言えることは、他者の実践活動については実に冷淡な反応をされているということです。エピローグにおいてイラク邦人人質事件に触れて、救出費用を考えずに救出に最善を尽くすことを当然視する論調を批判しておられます。しかし、イラクに渡航することを危険にしたものはまず政府のイラク戦争支持という方針です。とすれば、このイラク戦争支持が正当化できないようなものであるならば、政府は不当に、イラクに渡航しようとする人に無駄なコストを負わせていることになります。日本のイラク戦争支持のせいで、どれほど多くの活動が不必要なリスクを背負わされ、撤退したり縮小したりせざるを得なかったか。どれほど多くの実践活動がフイにされてしまったか。これもまた、本来、非難されるべきコスト意識です。しかし、「邦人だからとにかく救助に全力を尽くせ」という論調のみを取り上げ、それをコスト意識のないものとして批判し、かつ政府のコスト意識のなさについてまったく無言であることは、まったくバランスを欠いていると今でも思います。

別に、実践などというほどのことではないし、困っている人にちょっとお手伝いしている程度のことですが、自分の代わりに誰か反ブッシュデモに行ってくれなどと恥知らずのことをブログに書きこめるような人に、自分では何もないもしないで、左翼たたきする人間される言われはありません。

デモに関しては、そりゃ行きたかったのは山々です。しかし、予定されている授業を休んで行く訳にも行かないでしょう。それこそ『お金に「正しさ」はあるのか』で仲正さんが書かれていたことの重要な視点と関わることじゃないのですか?夜も、組合関係の会議のために出ることはできませんでした。これも先に予定されていたことであり、付け加えるならば、これはこれで「実践」活動です。何もかもに出かけていくことはできませんから、どうしても行くことができないことはあります。僕の生涯において、ブッシュがもっとも近い場所にやってきたのが今回の訪日・京都訪問だったと思います。是が非でも行きたかったのは山々です。しかし、仕方がないので、一方を選びました。

わざわざブログに「代わりに行ってくれ」と書いたのは、自分がいけないからといって黙っているよりはマシだと思ったからです。そこに意思表示すべき問題があるよという大事な情報は示すべきだと考えたからです。ある意味、恥を忍んで書いているのです。恥知らず、という非難は甘受します。しかし、デモがあることを知っていて、自分は行かず、「行けないから情報としても示さない」という人は恥を知っているのかと問うならば、それも違うでしょう。一人でも多くの人が京都に足を運んでくれればと、あるいは、一人でも多くの人が「何らかの拒否の意思表示をすべき場面だ」と考えていただければと、祈るような気持ちで書きました。


少なくとも、何もしていない、という決め付けに対しては、それは勘弁してくれと申し上げます。僕はどちらかと言えば自分の生活の方を大事にしてきたし、今もそうですが、仕事とは直接関係のないボランティアの仕事をもそれなりに引き受けています。
仲正氏を非難するのは、主に『お金に「正しさ」はあるか』の記述に対するものです。これについては、具体的に引用などを示しながら批判したことはないので(今回が初めて)、足りなかったとすればその点だと思います。単に好き嫌いを言っているのではないことを示すために、このブログの上で僕が疑問に思うことをもっと具体的により分厚く展開してみようとも思います。
「私のことを調べようともしないで」とおっしゃる点については、僕がある具体的な著作の具体的な文脈に即して批判している限りにおいては、仲正さんが他で書いている文章や経歴などについて特段調べる必要はないはずです。

実名・所属を出すようにとの求めについて

一般の人に読んでもらえるようなものを出したら、それは多くの人に読んで欲しいと思いますので、ここで紹介することになると思います。その際には実名を出すことになるなぁ、とぼんやりとは意識しながら書いています。以上はとりあえずの前置きです。
その上で、今回の仲正氏の求めについてですが、僕はブックマークコメントに書いたことについては、十分な理由を提示できると考えています。それについては既に述べましたように、おいおいブログに上げていきますので、それをご批判いただければ、と思います。それをするのに、僕の個人情報が必要だとは思いません。

まとめ

まとめます。
第一に、赤木氏について僕はまったく関知していないので、赤木氏に関連することはすべて誤解です。
第二に、仲正氏の(主に『お金』における)左翼批判には重大な問題があると思っています。一例だけ挙げました。随時、この本についての具体的な批判は、ブログの中でも取り上げようと思います。しかし、今回述べた一点だけでも、僕の批判は故なきものではないことは示せたと思います。
第三に、仲正氏の非実践を批判しているわけではありません。そもそも、僕は仲正氏の実践活動の有無や程度を知りません。知らないものについて批判できるはずがありません。

つまり、仲正氏のコメントのうち、大半は誤解です。僕は唯一、『お金』および幾つかの読みえた文章への批判として、きちんと根拠を示すことについてのみ責任を負うつもりです。

その上で、第四に、以上の責任を負うにあたり、名前・所属を明かす必要はないと思います。(個人的にメールでお知らせしようかとも思ったのですが、今、仲正氏からのメールを受け取りました。仲正氏の状態はおよそ冷静さを欠いた状態だと思いますので、わざわざこちらからお知らせしようとは思っていません。関連して以下に追記します。)


追加・・・仲正氏への応答について

仲正氏が異様に怒っているのは、一つには赤木氏とのつながりを想像されているためではないかと推察します。僕は既に述べたように、その人のことを何も知らないので、それについてはほとんど言いがかりです。しかし、僕は状況を存じ上げませんが、そうした誹謗中傷が多数うごめいている中に僕のブックマークコメントを発見されたのであれば、誤解が生じる可能性は一概に仲正氏だけに帰すことはできないかもしれない。ということくらいは思います。

赤木氏とは無関係であり、『お金』の記述から繋がる感想であり、根拠のまったくないものではないものということをご理解いただいた上で、今一度全体を見直していただければと思います。

僕は赤木氏なる人物となんのつながりもないし、赤木氏と仲正氏の間で起こっていることがどういうことなのかまったく知りませんが、第三者が介入することが事態を改善しうる可能性があり、その役回りをする人間がどこかに必要であるならば、協力することにやぶさかではありません。仲正氏の見解に批判的であることと、仲正氏の人格を誹謗中傷してよいこととはまったく別の話だからです。