モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

ナニ勝手に決めてんねん──普天間基地の移設先

沖縄タイムス社説:[普天間「沿岸案」合意]強権発動を許さぬ
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20051027.html#no_1


辺野古沿岸から突き出す形で少し埋め立てする、という案で日米が合意したんだそうな。やたら交渉が難航したこととかをテレビでも強調していた。しかし、アメリカの主張する浅瀬案も、結局のところ沖縄の、辺野古に作ること自体は規定路線としてまったく考え直す余地はない。何がそんなに交渉が難航したのかは知らないが、県内移設に反対する人たちが希望した論点は完全に黙殺された。沿岸案にせよ浅瀬案にせよ、問題が多くて一度廃棄された案がいつの間にか復活し、地元の反対は一顧だにされず、さもそれらの案のどれかを実現するのが当然なのだ、というそぶりで、喧伝されている。交渉は、本当に交渉されるべきことを黙殺したことを隠蔽するためにだけ、なされた。なんなのだろう。これは。

日米で合意したという沿岸埋め立て案。これをこれから地元が理解を示すとでも思っているのだろうか?アメリカの主張した浅瀬案に較べればマシとはいえ、環境への影響は必至だ。真面目な話、環境のことを考えたら辺野古自体があり得ない。しかし、そんなことは都合よく忘れ去って、辺野古に作る以外の可能性は最初からありえないかのように、当然のように、話が進んでいる。一番ありそうな話だが、あまり考えたくないことだが、反対があろうとナニがあろうと、工事を強行しようとでも言うのだろうか。


改めて言っておきたい。沖縄問題は、「沖縄の」問題ではない。我々日本国民全体が、60年押し付け続けてきたこの負担を、またしても押し付け続けることの問題であり、日本国民の道義性の問題である。戦争責任にせよ靖国にせよ、道義なるものに真面目に取り組むことはひたすら不得手な社会である。今更驚きはしないが、毎回毎回呆れてきたように、今回も力いっぱい呆れている。そして、恥じ入っている。