モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

ブロガーは公職選挙法違反で捕まりうるか?

国会議事録に書かれている内容について、ブログでいろいろ議論するのは公職選挙法に触れるのかな?という点について気になった。選挙絡みのエントリについてはあちこちのブログでも結構気にされているようで*1、大方「触らぬ神に祟りナシ」と言う論調だが、ちょっとまて。自主規制する前に考えてみよう。自主規制しなくても大丈夫ならもっと自由に物が言えるし、可能ならそうであった方がいい。で、いろいろ調べてみたんだけど、次のエントリを読んで欲しい。実に笑える。


ネット選挙運動解禁直前ならではの「笑い話」がありますMIYADAI.com Blog


宮台氏は、自民党参議院議員クラスの人たちがバリバリの選挙情報をそれぞれのブログで垂れ流しにしていることに言及した上で、次のように述べている。

っていうか、自民党の幹事長補佐や参議院議員クラスが、山本一太議員の「総理遊説シリーズ」みたいなバリバリの選挙情報を(「私的参拝」ならぬ)「私的ブログ」で流しているんですから、民主党も「まったく同じこと」をやればいいのですよ。総務省のヘタレ役人どもには手も足も出ませんぜ。まあ、あまり上品ではないやり方ですが(笑)。
ネット選挙運動解禁直前ならではの「笑い話」がありますMIYADAI.com Blog

結局のところ、今回の選挙の立候補者、政党関係者以外の第三者について言うなら、少なくとも現職・参議院議員がやっている程度の言及をしたところでそれは規制対象には到底ならないとしか考えようがない。僕が検挙されるなら、山本一太も一緒に検挙されるだろうし。たとえば、彼のブログからほんの一部を引用してみよう。

さて、昨日の総理遊説(第一日目)について(忘れないうちに)少し書いておこう。小泉首相の動員力は2年前の衆議院選挙、昨年の参院選挙の時に比べて、明らかに回復している。4年前のあの「小泉ブーム」に迫る勢いだ。が、4年前と比較して、聴衆の反応が変わっていることに気がついた。


最初のデビュー戦では、旬の「人気スター」にファンが熱狂するみたいな構図だった。どこへ行っても、「純ちゃん、こっち向いてー!」「純さま、ステキ!」「キャー!」といった声に包まれた。が、今回は、もっと「落ち着いた」声援になっている。実際、「純ちゃん、ステキ!」とか、「キャー!」とかいうタイプの声援ではなく、「小泉さん、しっかりやってくれ!」とか、「郵政民営化、頑張って!」という声が多かった。小泉総理個人の人気(まだまだ根強いものはあるが)というより、小泉総理が進めようとしている改革と。それを断行した総理の姿勢に対する期待や評価が有権者の関心(支持)を集めているといえるだろう。
http://www.ichita.com/03report/data/1125452592.html@山本一太「シンプル・メッセージ」(8月31日分)
(12:37追記:引用が公示前の記事だったので、公示後の記事からの引用に差し替えました。)

山本議員のブログのどのページでも似たような話で、「だれだれの選挙応援にいった」と書いてあるのだから、これが選挙運動ではない、投票の勧誘ではないとするならば、世間一般のブロガーが書いているレベルのことで規制対象になるようなことはありえないと考えるがどうか。ネタにしたいから捕まえて欲しい、と思っていても、そう簡単には捕まえてもらえないほどハードルは高そうだ。ついでに世耕弘成氏のブログ。

会議後記者会見して、自民党のHPとメルマガはは30日の告示後更新をストップしていることと、民主党のHPとメルマガについて総務省に注意喚起したことについて説明。比例区では政党の名前を書くのであり、政党も候補者と同様と考えなければならない。
8月30日の日記でも述べたように、私自身もネットを活用した選挙運動推進派であり、選挙にネットが利用できない現状に関して不満があることはよく理解できる。しかし法律が認めていない以上は法律を遵守する必要がある。一部の政党や候補者だけが使ってお咎めなしでは、真面目にルールをまもっている方にとって不公平である。私(および党)はネットの影響力を十分すぎるほど認識しているがゆえに、公平なルールの適用を求めているのである。
http://blog.goo.ne.jp/newseko/e/f0e9e19e0f56aa4d682cb97afbbd3fce@世耕日記(9月1日分)

こちらは山本議員よりもう少し規制的だが、特定の候補者を連想させなければ政党の政策を批判することは問題なさそうだ。というのは、民主党が党のサイトを更新したことを批判する記事が他ならぬ世耕議員のブログに掲載されているのだから。


というわけで、僕の勝手な基準だが、次のようなガイドラインを考えてみた。あくまで勝手に考えたものなので、実際に政治について論評するかどうかは、個々人の判断で。(と一応逃げを打っておく(笑))

  • あくまでも、政策やその主張についての論評に限定する。
  • 「○○氏に投票してください」という形の明白な投票誘導は書かない。

多分、このくらい気をつけておけば十分ではないかね。少なくとも僕はこの基準でこれからも書いていく。捕まったら山本一太を巻き添えにしよう。*2

なんにしても、「公職選挙法違反でブロガーが検挙の可能性?」って話を考えようって人はすごく真面目だし、その真面目さは僕も好きだけど(だからいろいろ調べたわけだけど)、実態が分かった以上、この実態から理解できる範囲内でもっと自由に意見を述べていこう、と互いを励ましたい。過剰な自主規制はつまらない。せっかくおもしろくなってきたのだから。

*1:たとえば選挙とブログD4k director's Blogとか

*2:彼はこの件で、インターネット選挙運動開拓の父として歴史に名が残るかもしれない(笑)