モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

NHKに問いただすべきこと

 長井さんの記者会見の詳細。
 http://www.asahi.com/national/update/0113/014.html

 まず、長井さんの発言から伝聞部分をすべて取り除いたとしてなお、NHKに言いえることはそれでもある。

 NHKは公正・公平でなければならない。このことを、NHKはいつでも守っていなければならないはずだ。その目的の達成のために、女性国際戦犯法廷の特集に関して、NHK上層部が編集権を行使した、というのが彼らの言い分である。とするならば、明らかにされねばならない点がいくつかある。

  • こうした編集権の発動を決定するプロセスはどのようになっているのか。

 当然、すべての番組をチェックしているはずがない。だとすれば、チェックすべき番組とチェックすべきでない番組を選出するプロセスがなければならない。どのようなルールに基づいて、そうした選出を行っているのか。NHKは明らかにするべきである。

  • プロセスがあるにせよないにせよ、その中でどのような具体的理由によってチェックすることが決定されたのか。

 明らかに、NHKの上層部は、「普段は」番組の内容チェックなどしていない。どうして「普段どおりに」現場の判断に任せずに、上層部が特別に判断を下さねばならないと判断したのか。そのときに限っては、「番組の放送前に」チェックが必要だと考えたのか。他の番組ではそのようなことをせず、この女性国際戦犯法廷の特集に限ってはそれが必要だとの判断が下された合理的理由を、NHKは明らかにすべきである。

  • 現場が反対しているにも関わらず、NHK幹部の編集権発動の判断が優先されたのはなぜか。言い換えれば、取材、番組製作、そしてその内容についての討議を重ねてきた現場よりも、試写を一度見ただけのNHK幹部の方がより正しい判断を下せるはずだと判断した根拠は何か。

 NHKの言い分が仮にすべて正しいとしても、その場合には、番組の放送を一旦中止するなり、なんなり、別の方法があったはずだ。あるいは、1月30日の放送は変更できないとしても、放送後に多くの批判を受けたはずであるが(訴訟まで起こされている)、これらに対して応答することはNHKの責務だろう。今にいたるまでまともな応答が一切ないのはなぜなのか。

 NHKがやっていることは、「それはNHKの編集権の範囲内」と突っ張るだけのことである。んなアホな。幹部といえども、NHKの一構成員に過ぎないものが、報道の内容の選別という公共的に著しく強大な権力を好き勝手に振り回してよいという道理があるものか。NHKが説明すべきことは、その編集権がいかなる理由で発動されたのかの理由である。もとより、NHKに編集権があるのは自明だ。それを、理由もなしに、幹部の決定というだけのことで発動できる理由を述べなければ、何を説明したことにもならない。