需要が減少している理由
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20041206#p1に関連して。
不景気の原因は、需要不足。それも、財の魅力がないために、貨幣の方に需要が集中している、いわゆる「貨幣愛状態」の人びとがたくさんいる。そのために、需要が足りない。ゆえに景気が悪い。これが僕の基本認識。
では、なぜ貨幣を愛するのか。理由はいくつもある。1つ、あまり魅力的な財がない。だったら貯めておいた方がいいや、という話。2つ、デフレのために「まだ値段が下がる」と思うから買い控える。3つ、「年金もヤベェみたいだし、将来の備えは個人でがんばらないとダメっぽ」ということで将来不安に備えての貯蓄をする。僕は最後のやつが一番重大だと思ってる。
実際どうなのか。このあたりは地道に実証分析を捜すしかない。とりあえず、こんなものを発見。明日、読んでみよう。
◇ 最近の家計貯蓄率とその変動要因について
http://www.boj.or.jp/ronbun/01/cwp01j04.htm
将来の可処分所得に対する不確実性が高まると消費支出を削減する傾向が存在する。「生活意識に関するアンケート調査」の分析から、雇用や処遇に対する不安、将来の年金給付に対する不安・介護に関する不安、金融システムに対する不安、を持っている家計のうちで消費支出を削減している比率が、不安を持たない家計のうちで同様に消費支出を削減している家計の比率よりも(有意に)高い。このうち、金融システムに対する不安は、各種の金融システム対策の効果もあり一時に比べると沈静化しているが、雇用・処遇に対する不安は根強いものがある。また、年金給付に対する不安、介護に関する不安については、年金改革の実施、介護保険の導入といった政策努力は現時点では人々の不安の改善には十分寄与していない。