モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

愛国心について

国旗・国歌を強制するのがバカげている、という話は前提として、強制しない状況で僕自身はどうするのかについて。結論から言えば、今現在の状況ならば、国旗にも国歌にも敬意を払おうとは思わない。

http://d.hatena.ne.jp/thomas_oldman/20041029につけられてるコメントから。

アジアの旗と言いますが、アジアが日本の国土を、生命を、財産を守ってくれるのでしょうか。
今のところ、この世界で自分を守ってくれるのは自分が所属する国民国家だけ。

こういうことってよく言われる。ただ、自分の所属する国民国家も守ってはくれるとは限らないわけで、イスラエルにしたって東ティモールにしたって、国が守ってくれないから国を作ったわけだ。右翼は国を作ったという部分だけを取り上げて国家という枠組みを特権的に扱うけれども、大事なことはそれが国家かどうか、ということではなくて、それが自分を守ってくれる存在かどうかってことのはずだ。
日本のことを言えば、こないだの沖縄国際大学に米軍ヘリが落ちた事件。あれを見て「日本政府って頼りになるなぁ」と思った沖縄県民はいなかったろう。同じようなことはいろんな場面であって、守ってくれないなら「結局国なんて」と思う人がいても当然。
そうした状況を第三者的に見ることができる位置にいたとして、それで自分は痛い目みてないから素直に日本が好きだなどとてらいなく言えるのはかなりの幸せ者ではないか、とやはり思う。僕自身はさほど痛い目みているわけではないが(せいぜい米軍基地のせいで通学路が2倍になってしんどい目を見たくらい)、それでも国旗・国歌をありがたがるのは、それを嫌う人達がいなくなってからにしよう、彼らが嫌っている理由そのものを解決できる、そういう国になってからにしよう、そんなものをありがたがってる場合ではない、と素直に思った。
嫌いだ、と思ったことはとりあえずない。ただ、嫌いだと言う人達に共感しないでもない。我々の国には未だ不完全なものであって、その不完全さゆえに国を嫌う人がいる。国旗・国歌を見て複雑な気持ちを抱く人はいるだろう。だから、その人達より先に、自分だけ(幸運な自分だけ)が国旗・国歌を無邪気にありがたがっているのはとても不細工なことだと、僕の美意識では思う。