永田えり子さん
論文書くためにいろいろ資料を読み返しているのだけれども、この人はやはりこの領域で特別異彩を放っている論者の一人だろう。主に悪い意味で(笑)。主張の内容はともかく、「不道徳だから性の商品化は悪い」とか言い放つ度胸は普通の人にはありえない。その豪快さだけでも見るべき価値のある人だけれども、こういう物凄いことは一度徹底的に誰かがいっておかないと議論がクリアにならない。「性の商品化=不道徳」論の流れは確かにあるのだから、誰かが可能な限りの精緻化を進めて叩き台(文字通り叩くための)を作ることは確かに有意義な仕事だと思う。しかも、こんな物凄いことを言いながら(それとは別のところで)確かに大事な論点も提示していることはしていて、なんとも不思議な人だ。
読んでいるのは、次の3つ。いずれも勁草書房。
- 「<性の商品化>は道徳的か」(『性の商品化―フェミニズムの主張〈2〉』所収)
- 「「性的自己決定論」批判(『フェミニズムとリベラリズム (フェミニズムの主張)』所収)
- 『道徳派フェミニスト宣言』