モジモジ君のブログ。みたいな。

はてなダイアリーから引っ越してきました。

買売春 論争の構図

 買売春肯定論者は「自由が大切だ」といい、一方で否定論者は「自由に優先するものがある」と言う。だから、この論争の対立軸は、たとえば、次のように理解されたりする。

 しかし、これは昨日書いたように誤解だ。実際には肯定論者でも「なんでも売ってOK」という立場の人は少なくて、売ってよいものとよくないものの間の境界線を持っているという意味では同じなのだ。つまり、次のようになる。

 売ってよいものとよくない物の間の境界線問題であり、「どこに線を引くか」
という問いなのである。だから場合によっては、次のような第3の選択肢もありえる。

 実際、買う側の切実さに焦点を当てて考えた場合、臓器を買い求める人のニーズ(それは生命のニーズだろう)の方が買春者のニーズよりずっと切実だ、だからCだ、という立場はありえるだろう。性の場合でも臓器の場合でも、その買売にいろんな人がいろんな形で感じるのだから、なぜそのように感じるのかを真剣に解きほぐす必要がある。売ってよいとする感覚は実に単純であり、他方売ってよくないとする感覚の方がより言語化が困難であるという事情からすると、後者にこそより繊細な注意を振り向ける必要があると考える。(ただし、このことは、後者の感覚が優先されるべき、という意味ではない。)